防犯協会70周年

創立70周年記念誌の発刊にあたって

本所防犯協会 会長

本所防犯協会 会長
榎本 敏昭

私ども本所防犯協会は、昭和22年8月に創立以来、本年で70周年を迎えることとなりました。
この度これを記念して「本所防犯協会70年のあゆみ」を発刊することと致しました。
顧みますれば終戦当時の首都東京は、東京大空襲の爪痕も甚だしく、住むに家無く、食うに食なしの状態で、戦災孤児達が行く当てもなく彷徨い続ける、社会不安の坩堝と言える状況でありました。
このような状況のなか、都民の間から自主的に警察の活動に協力して、「われわれの街はわれわれの手で護ろう」という気運が高まりはじめ、各警察署の管内に「地区防犯協会」の設立を目指す活動が活発化したのです。
そして、昭和21年には、大部分の地区に「地区防犯協会」が結成され、民間団体による 防犯運動が活発に行われるようになりました。
しかしながら、昭和22年4月に突如として占領司令部から民間の各種団体への解散命令が発表され、発足準備段階であった本所防犯協会も発足が危ぶまれたのでした。
そのような逆風の中で、初代会長の秋山定吉氏ら防犯協会発足にご尽力された方々の 地域の安全に対する熱意により、防犯協会の設立目的と、その事業内容が地域の治安維持に不可欠なものとして、マッカーサー司令部の特別許可がおり、昭和22年8月から、民間防犯協力団体として活動を開始することとなり、今日に至りました。
爾来、アパート防犯協力会、錦糸町地区暴力追放委員会、防犯ネットつけまくり隊等の 発足・活動を援助するなど、
・犯罪の無い、安全で明るく住みよい街づくり

・安心と生きがいを持って過ごすことの出来る社会

を目指す活動を行っております。庁舎も平成25年3月からは、両国の地から横川の地へ移転して、より一層の活動の輪を拡げようとしております。
本所管内は、世界に誇る電波塔スカイツリーや日本伝統の大相撲の聖地「国技館」、そして副都心「錦糸町」という名勝を有する素晴らしい土地柄であります。
この街で暮らす皆様が、「安全で安心して生活できる、住みよい街」を目指し、活動をより一層活発化させてまいります。
終わりに、本所防犯協会の活動に深甚のご理解とご協力を賜ります関係者各位の皆様や、記念誌発行にご尽力戴いた協力団体の皆様方、本誌の発行にご祝辞を賜りました本所警察署長 島田幸治様、墨田区長山本 享様、並びに編纂に携わった関係者各位に対して心から御礼を申しあげ発刊の言葉とさせて戴きます。


防犯協会創設70周年に寄せて

本所警察署署長
本所警察署長
警視正 島田 幸治

このたび、本所防犯協会が創立70周年の節目を迎えられたこと、誠におめでとうございます。署員一同を代表して、心よりお慶びを申し上げます。
貴協会は、昭和22年8月、戦後の混乱期から抜け出せない世相の中、「自分達の街は自分たちで守ろう」という崇高な機運のもとに発足されたと伺っております。そして昭和から平成の激動の時代の中、一貫してその姿勢を保ち続け、現在も第7代目会長榎本敏昭様を中心に防犯パトロールや街頭キャンペーンなどこの街の安全と安心のための活動を積極的に推進されておられることに深甚なる敬意を表する次第です。
さて、昨今の犯罪情勢ですが、都内における刑法犯の認知件数は、平成14年をピークにその後連続して減少しており、一昨年には戦後最小となってなお減少の傾向が続いています。しかしながら、その内容をみると、オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺や、DV、ストーカー事案が大幅に増加しているなど、犯罪自体が多様化し、変化しつづけているのであって、これらに適切に対処し治安を守っていく必要があります。
犯罪を抑止するためには、検挙活動のみならず、防犯カメラや防犯灯をはじめとした社会インフラの整備拡張、そして何よりも住民の方々自身が防犯意識を持つこと、みんなで防犯意識を高めようとする気持ちが重要です。
また、防犯のみならず防災の面からも人と人とのつながり、絆の重要性が叫ばれている昨今です。よりよきネットワークを広げていくことが、安全で明るく、安心して住める社会を実現していくための第一歩であり、かつ最も大切なことであると思います。
この街は関東大震災、東京大空襲といった災難を乗り越え、たくましく復興を遂げた歴史と伝統を持つ街であり、そして、いわゆる下町の人情とふれあいに満ちた街です。
この街を守るため、我々本所警察署員一同、精一杯努力する所存であります。 どうかこれからもご協力、ご支援をいただきながら、ともに安全で安心なまちづくりに邁進していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
結びに、貴協会の益々のご発展と、会員、ご家族のみなさまのご健勝、ご多幸を心より御祈念申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。


創立70周年を祝して

墨田区長
墨田区長
山本 享

この度、本所防犯協会が創立70周年を迎えられましたことを心からお慶び申し上げます。
貴協会は、戦後の荒廃と混乱が続く占領下の社会情勢の中で、「自分たちのまちは自分たちで守る」という強い意志のもと、本所警察署管内の地域の方々が中心となって昭和22年に設立されました。以来、70年という長きにわたり、警察署と共に、防犯思想の普及啓発、青少年の健全育成、防犯パトロールの実施など今日まで積極的な活動を展開してこられました。
本区に残る記録を振り返ってみますと、昭和30年前後には区内で年間9,500件を超える刑法犯罪があった年もありましたが、 平成28年には3,171件になっています。このように治安が改善されましたのも、貴協会の歴代の会長ならびに役員の皆様、会員の皆様をはじめ警察署など関係機関の方々の並々ならぬ御努力によるものと、深く敬意を表しますとともに感謝を申し上げる次第です。
また、近年、区内での執拗な客引き等を防止するために制定された条例の普及啓発におきましても、多大な御支援・御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
社会の急速な発展に伴い、犯罪も複雑化・多様化してきている中、安全・安心なまちづくりを進める上で地域防犯力の向上は、その根幹をなすものであり、皆様方の役割はますます重要性を増しています。「区では、今後も皆様方をはじめ警察署等関係機関の方々と連携しながら、「暮らし続けたい、働き続けたい、訪れたいまち」実現に向けて全力を注いでいきますので、引き続き御支援・御協力を賜りますよう、お願いいたします。
結びに、本所防犯協会のますますの御発展と御関係の皆様方の御健勝・御活躍を祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。


創立70周年を祝して

墨田区議会議長
墨田区議会議長
沖山 仁

本所防犯協会の創立70周年、誠におめでとうございます。墨田区議会を代表いたしまして、心からお祝いを申し上げます。
貴協会は、終戦後、混沌とした社会不安の中で本所地域の諸先輩方が昭和22年に設立されて以降、70周年という節目にあたる本年まで、本所警察署と一体となって犯罪防止活動を続けてこられ、多大な貢献をされるとともに、輝かしい歴史と伝統を築かれました。
その功績は誠に意義深く、これもひとえに歴代会長をはじめ、会員の皆様方のたゆまぬ努力と献身的な活動のおかげであり、ここに深く敬意と感謝の意を表します。
戦後まもない時期に、「われわれの町をわれわれの手で護ろう」と犯罪を一掃するため、本所防犯協会を設立された方々のご苦労は大変なものであったと拝察いたします。また、その志を引き継がれ、区民生活の安全と安心の確保のため、振り込め詐欺や悪質商法の被害防止、安全意識の普及啓発活動など多岐にわたる防犯活動にご尽力いただいております皆様方にも深く感謝申し上げます。
区議会といたしましても、皆様方とともに「犯罪のない明るいまちづくり」の実現はもちろんのこと、安全で安心して暮らせる社会づくりに向けて、最大限の努力をしてまいる所存でございます。
皆様方におかれましても、これまで同様に引き続き、お力添えを賜りますようお願い申し上げます。 結びに、本所防犯協会の更なるご発展と皆様方のご健勝とご活躍を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。